首がねじれる 内耳や脳幹が障害されて起こる「捻転斜頸」
「斜頸」とは文字通り首が片方に傾く症状である。原因は大きく分けて二つあり、その確定診断が不可欠。猫の首に異常が見られたらすぐに動物病院へ。 |
【症状】 首がねじれ、「眼振」が起こる |
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【原因とメカニズム】 前庭障害を起こす原因は中耳炎・内耳炎から耳管内ポリープ、脳腫瘍、脳炎などがある |
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●末梢性前庭障害の場合
耳は、頭部の外に開く耳介から外耳道が内部に通じている。その奥に鼓膜があり、鼓膜の奥(中耳)には空洞(鼓室胞)がある。鼓室胞の奥(内耳)には、三半規管や蝸牛があり、前庭部とはその間の部位である。通常、首がねじれている側の外耳道が細菌や真菌(カビ)、寄生虫(耳ダニ)に感染して炎症を起こし(外耳炎)、その炎症が鼓膜の奥(中耳・内耳)にある鼓室胞に広がり、前庭部が障害されることによって捻転斜頸などを発症する。 また、原因を特定することができない「特発性前庭障害」と診断されるケースも多い。 まれなケースとしては、中耳や内耳の周辺にリンパ腫などの腫瘍ができたり、鼓膜の奥にある鼓室胞と咽頭を結ぶ耳管内にポリープ(鼻咽頭ポリープ)ができ、それが前庭部に悪影響を与えて発症することもある。 ●中枢性前庭障害の場合 前述の感染症が脳内に普及するケースの他に、脳幹(間脳・中脳・橋・延髄など)にできた腫瘍や、猫伝染性腹膜炎(FIP)などのウイルス感染症で起こった脳炎によって発症するケースもある。「前庭障害」では、脳幹の病変が進行することで、昏睡状態に陥ることもある。 |
【診断と治療】 確定診断して適切な原因治療と対症療法を行う |
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【予防】 外耳炎や口内炎があれば、早めに治療する |
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*この記事は、2007年9月20日発行のものです。 | |
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