嘔吐や下痢をする 様々な原因が引き金になる「胃腸炎」
猫が吐いたり下痢したりしている。いつものことだからと放置しておくと、命を落としかねない重大な病気を見逃すことになるかも。 |
【症状】 嘔吐や下痢、食欲不振や体重減少 |
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【原因とメカニズム】 食事性やウイルス感染、毛球症、異物誤食など |
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猫の胃腸炎の要因は、食事性から、毛球症との関連、炎症性腸疾患、ウイルス感染、さらには異物の誤食(特に糸くずなどが多い)など多種多様で、注意深く検診する必要があることも少なくない。 ●胃腸炎と毛球症 食べ過ぎたり、フードが体質に合わなかったりすれば、胃腸への負担が増して消化不良を起こし、胃腸の粘膜を傷め、嘔吐や下痢をする。 また、春から初夏にかけて、あるいはストレスで、愛猫が毛づくろいに励み、抜け毛をたくさん飲み込めば、胃の中で抜け毛が“ダマ”となり、それを吐き出すために激しく嘔吐し、胃の内容物だけでなく、十二指腸や小腸上部を通過中の内容物も吐き出されることになる。その際に膵液が膵管を逆流して膵炎を引き起こすこともある。そうなれば消化酵素を産生する膵臓がダメージを受け、激しい嘔吐が止まらず、食べ物も水も受けつけず、命にかかわることになる。 ●炎症性腸疾患(IBD) 猫の代表的な胃腸炎のひとつに「炎症性腸疾患(IBD)」がある。これは自己免疫疾患のひとつともいえ、免疫にかかわるリンパ球や形質細胞、好酸球(白血球の一種)などの炎症性細胞が腸管の粘膜固有層にまで浸潤。腸粘膜を傷め、腸管が肥厚したり、潰瘍を起こしたりして、嘔吐や下痢が慢性化し、衰弱していく。末期的には腸粘膜からのタンパク喪失が激しくなり、重度の低タンパク血症を起こして腹水がたまってくることもある。 その要因は、遺伝性、食物アレルギー、細菌感染などの複合的なものと考えられている。 なお、IBDは腸管型のリンパ腫とよく似ていて鑑別がつかないことも多く、患部の細胞を採取して病理検査(バイオプシー)しないと、確定診断できない。 ●ウイルス性腸炎 ウイルス性腸炎では、「猫伝染性腸炎」がよく知られている。これは、毒性の強い猫パルボウイルスが引き起こす病気で、嘔吐や下痢が激しく、体力の乏しい子猫や老猫なら、発症後、数日で命を落とすこともある。ウイルスは強力で、自然界で1年ほど生存可能といわれ、感染猫のウンチ、吐物との接触などによって感染する。 |
【治療】 確定診断して、症状に合わせた食事療法と薬剤療法 |
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【予防】 子猫の時から適切な食事管理、健康管理とワクチン接種 |
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*この記事は、2007年7月20日発行のものです。 | |
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